中国バブル崩壊のインパクト(3) 統計で嘘をついた報い
2019/01/28
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経済を発展させたいのなら、特別な場合を除いて価格統制をしてはいけません。
さらに広げて一般化するなら、こう言えます。
「国を発展させたいのなら、特別な場合を除いて情報統制をしてはいけません」
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たとえば中国の経済統計を、まともに信じている人はいません。
各地のGDPを加重平均すると、国全体のGDPを4%も上回ってしまいます。
どうやら経済成長によって出世や予算配分が決まるようで、みんな統計を「盛って」いるようなのです。
その中でまともな報告をしては、政争に敗れて粛清されてしまいます。
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はるか昔、世界の景気が落ち込む中で中国だけが10%以上の成長を成し遂げました。
しかしそのとき、電力消費量は前年比マイナスだったのです。
このあたりから賢い人々は、中国経済の動向を測るのに電力消費量や貨物輸送量を見るようになりました。
中国政府はそのうち電力消費量の発表をやめてしまいました。
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このように、中国の統計は政治的に作られた数字であることが多いのです。
あるときは予算をぶん取るために。
あるときは海外に向けて「高成長の中国に投資しろ」と言うために。
あるときは国威発揚のために。
その「作られた経済統計」に騙されて、投資で損する人がいることは大きな問題ではありません。
本当の問題は、中国政府にすら経済実体がわからなくなって政策を誤ってしまうことなのです。
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これを病気に例えてみましょう。
ある患者が「気分が悪い」と病院に来たので、まずは体温をはかることにしました。
熱があるのかないのかは、病気を診断する大きな手がかりになるからです。
しかしこの体温計の数字を、担当の看護師が自分の好きに書き込めるとしたらどうでしょう?
医者は正確な判断をすることができなくなり、場合によっては患者を死なせてしまいます。
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経済学には「価格シグナル」という言葉があります。
価格を自由にさせておけば、市場で値段が決まります。
高いものは「不足している」ということなので、人々はそれを作って利益を得ようとします。
価格が需給動向をリアルタイムで伝えてくれるため、経済のボトルネックを素早く解消することができるのです。
だから株価も含めて価格統制をしてはなりません。
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経済統計も同じです。
どの国でもそれを発表するのは、実体経済が発するシグナルを見極めるため。
それが正しいという前提で政策が決定され、仮説が実証されます。
しかしシグナル自体がでたらめであれば、もはや手の施しようがありません。
統計でウソをつき続けた報いは、ずっと後になって大きな損害をもたらすのです。
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