中国バブル崩壊のインパクト(2) 価格統制をしてはいけない理由
2019/01/28
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では中国政府はバブル崩壊に対し、どう対処すれば良かったのか?
実は「金融緩和」や「激変緩和措置」だけを行って、株価は下がるままに
放置しておけば良かったのです。
なぜならば価格統制は長期的に「ろくな結果にならない」からです。
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一般的に「価格統制は需給を歪め、資源の最適配分を阻害し、
経済成長にマイナス」になります。
1. 需給からズレた価格帯に置かれるので、取引が成立しにくくなります。
2. 「安く買えるもの」に「高い値段」をつけてしまうので、買い手の資金が無駄に使われてます。
3. 売り手は高く売れるものを安く効率的に作る努力を忘れてしまいます。
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割高な価格を設定してしまうと、みんな買おうとしません。
するとせっかく作ったものが、売れることなく在庫として溜まってしまいます。
それでは作った意味がありません。
そして在庫を維持するコストや、資金を回収できない間の金利がのしかかってきます。
売り手を助けるための政策が、実は売り手・買い手ともに苦しめる結果になるのです。
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価格統制をして良いのは、国が補助金を出し続ける価値のある戦略物資。
日本なら農産物などがそれにあたります。
あるいは戦時下の特殊な時期だけです。
そのような場合でも、「資源の最適配分を歪めている」という自覚のもとに最小限に行うべきです。
なぜなら価格統制が続くと産業が競争力を失い、国際競争に勝てなくなるからです。
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中国株の価格統制により、株価は需給と乖離した場所にある恐れがあります。
これはまず、取引高の減少となって現れるでしょう。
本当は設備投資・採用研修・買収などに使われるはずの資金が株価維持に使われてしまいました。
売り手(企業側)は株価が国によって維持されるので、利益を上げる努力を忘れてしまうでしょう。
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米国はそれを良く知っており、自由な競争と価格をなるべく維持しようとします。
独占につながる企業買収を禁止し、カルテルを厳しく罰します。
現物株にはストップ高・ストップ安がないので、「フラッシュクラッシュ」
のような急落が起こります。
たとえ株が暴落しても買う人がいればいずれ戻る。
戻らないなら価値がない企業なので、さっさと他の企業が取って代わるだろうと
達観しているようです。
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日本も実は、中国を笑っていられません。
日銀や年金による株の買い支えは、需給を歪めています。
上場株と非上場株の格差を助長しています。
しかしそれでも「売ったら逮捕」「下がる株は売買停止」「自社株買いを強要」
など狂気の領域までは踏み込んでいません。
米国からはかなり怪しまれているはずですが、それでもまだ自由主義経済の端くれです。
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価格統制やカルテルは、長期的な経済成長を阻害します。
それを良く理解しているのは「米国>>>>>日本>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>中国」の順。
ただし日本の場合は「理解している」というより「米国に従っている」だけかもしれません。
そして長期的な経済成長率も、おそらくこの順です。
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国は産業を作ることはできなくても、競争やイノベーションを助けることはできます。
政策の適切さが長期的な国力に反映するのです。
「体温計」や「通知表」にあたる株価を操作するのではなく、
「体力」「学力」にあたる経済成長の向上に励むべきです。
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