最大のリスク要因となった日銀 (2)「サプライズ市場操作」の限界
2019/01/28
30日に発表された8月の全国消費者物価(CPI)は前年比で0.5%の下落。
6カ月連続の下落となりました。
公約の2年をとっくに過ぎても、
異次元緩和の目標である2%のインフレには程遠い状態です。
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この事態は予測できました。
GDPデフレータはマイナスだったのに、
消費税を上げてはいけなかったのです。
これは異次元緩和直後に出した本や、
東洋経済さんへの寄稿であらかじめ述べておきました。
「超絶バブルの安全な投資術 バブル期に始める株式投資の勝ち方」
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51121736.html
安倍首相、消費増税は凍結しましょう
増税=超絶デフレ政策なら、アベノミクスは台無しに
http://toyokeizai.net/articles/-/17632
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そもそも消費税自体が「超絶デフレ政策」なので、
本当のリフレ論者が主張するわけありません。
消費税引き上げは異次元緩和の目標に矛盾しているのです。
中央銀行総裁が税制に口を出すのは異例で、
出身母体である財務省の意を汲んだのでしょう。
「黒田総裁は消費税引き上げのために異次元緩和を行ったデフレ推進論者」。
これが私の結論です。
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黒田総裁の「サプライズ市場操作」は、市場との対話の対極にあるものです。
それはまるで独裁者が、恐怖によって大衆を支配する手法に似ています。
しかしそれが続くと、良いことはありません。
参加者はやる気を失って、逃げられる人からどんどん逃げ出してしまうからです。
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日銀が政策を変更しても、もはや効果は数時間しか持ちません。
「景気は回復している」と言っても、誰も信じません。
現状を認められないのですから、効果のある対策を打つことは困難なのです。
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黒田総裁の任期は2018年4月まで、あと1年半。
その間ずっと追加緩和を求められ、それにちょこちょこと応えて行くのでしょうか。
すでに限界が見えた金融政策。
失ってしまった中央銀行への信頼。
イニシアチブを失ったまま、市場に翻弄される姿が見えるようです。
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ワイルドインベスターズ株式会社