そこが知りたい情報チャンネル

このブログは、自分にとって参考になったことや活用できると思った記事をUPしていきます。

週末だけのグローバル投資コラム

誰かの負債は誰かの資産。バランスシート不況への入口。「流動性の問題」から「支払い能力の問題」へ

ほぼ同じ内容の動画はこちら ↓↓↓

2023年03月24日20:58
投資戦略動画(公開用)20230324 バランスシート不況の始まり。流動性(リクイディティ)の問題から支払い能力(ソルベンシー)の問題へ(25分)
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51285307.html

==========================
【公開用アップデート概略】
--------------------------

1. 誰かの負債は誰かの資産
2. バランスシート不況への入口
3. 「流動性の問題」から「支払い能力の問題」へ

--------------------------
関連リンク
--------------------------

737回シリコンバレー銀行破綻【中・上級編】
高橋洋一チャンネル
2023/03/23
https://www.youtube.com/watch?v=NkMQcVUtzSg

米FRBのストレステストを厳しく批判−サマーズ、タルーロ両氏
2023年3月24日 11:35 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-24/RRZY3ZDWRGG001

2022 Stress Test Scenarios
February 2022
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/files/bcreg20220210a1.pdf

AT1債とは 破綻時の弁済順位低く
2023年3月21日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB205FN0Q3A320C2000000/

イエレン長官、政府は再び「介入」へ−中小銀行の保護で必要なら
2023年3月21日 22:55 JST 更新日時 2023年3月22日 1:36 JST
金融危機では支払い能力が問題となっていたが、今の問題は「取り付け騒ぎの波及」であり、
銀行が十分な流動性を確保することが不可欠だと述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-21/RRVEJ0DWLU6801?srnd=cojp-v2

--------------------------

【1. 誰かの負債は誰かの資産】

先週、「SVB破綻は古典的なALMミスマッチが原因」と言いました。

今週になって、高橋洋一氏も全く同じことを言っていたので動画を紹介します。

ちなみに私は、同氏が日本で初めてALMの本を書いていたとは知りませんでした。

ただ、この表紙には見覚えがあります。

高橋洋一氏も言っていましたが、負債と資産の金利変動リスクで破綻するなんて
1980年台S&L危機以来聞いたことがありません。

同じことを私も会員さん向け動画20230313「信用収縮拡大のポイントは商業不動産」
で話をしました。

さらに驚くことに「FRBは2022年の銀行ストレステストで、
金利急上昇への潜在的脆弱性を精査していなかった」というのです。

サマーズ元米財務長官とタルーロ元FRB理事がそれを厳しく批判したことで、
私も初めて知りました。

「銀行監督の観点からは、金利リスクがトップに浮上して当然だったはずだと思われる」
と、私も思います。

当時はすでにバイデン政権になって1年超えており、
「金融危機はトランプのせい」とするには無理があるでしょう。

しかし左派に言わせると「リーマンショックは麻生政権のせい」
「福島原発はアベのせい」です。

【2. バランスシート不況への入口】

クレディスイスのAT1債が無価値にされたことで、批判が高まっています。

そのこと自体は契約通りなのですが、AT1債は本来、
株式よりも弁済順位が高いはずなのです。

しかしそれを無価値にして、
弁済順位が劣るはずの普通株式を4200億円で買収したから
「それはおかしいだろ」と揉めている。

もしクレディスイス株式をほぼゼロ(たとえば1スイスフラン)で買い取っていれば、
AT1債を踏み倒しても「契約通り」で拗れなかったと思うのです。

「誰かの負債は誰かの資産」です。

クレディスイスAT1債2.3兆円が無価値になれば、
「誰かの資産」が2.3兆円消滅したことになります。

資産価値が下がると株主資本を食い潰し、債務超過になります。

この連鎖は銀行システムを通じで増幅され、債務超過になる企業が続出します。

これが「信用収縮」であり「デフレスパイラル」です。

資産価値が暴落して債務超過になると、
企業はそれを修復するため収益を借金の返済にあてるようになります。

そうなるといくら金融緩和を行っても、
設備投資や消費が抑えられて景気が悪化します。

これこそ日本がバブル崩壊後に苦しんできた「バランスシート不況」です。

今回の被害は軽い順に 

日本 < 米国 << 欧州 <<<< 新興国

になるでしょう。

お任せください。

私は30年近くその環境で生きてきたので、研究と経験を積み重ねています。

おかげで「妖怪アンテナ」が発達しているのです。

【3. 「流動性の問題」から「支払い能力の問題」へ】

今週、イエレン米財務長官はこう発言しました。

「現在の危機は取り付け騒ぎの波及であり、
「支払い能力」の問題であったサブプライムショックとは異なる」

確かに「流動性(リクイディディ)の問題」であれば、
政府が一時的に資金を借りたら乗り切れます。

しかし「支払い能力(ソルベンシー)の問題」であれば、
いずれ貸し倒れとなってしまいます。

「流動性(リクイディディ)の問題」から「支払い能力(ソルベンシー)の問題」へ。

これは信用収縮の過程で必ず行われる議論なのです。

イエレン氏が早くもそれを示したことで、
パターン通りに信用収縮が進行していることがわかります。

過去10年以上、
経済も法律も会計も無視してポリコレ勢力がメチャクチャやっていました。

今のWBPC、高市氏追及やトランプ氏訴追も同じ。

投資の世界も同じで、ビジネスも法律も会計も知らない人たちが勢いで
投資することが増えたように思います。

- 利益もないのに話題性に乗るミーム株
- 値上がりするものなら何でも良いモメンタム株
- 配当やクーポンなどの表面的利回り志向

しかしこれらも「カネ余り」の時に現れる、典型的な現象です。

そのような人々は、これから手酷いしっぺ返しを受けるのだと私は予感しています。

その失敗を繰り返さないために、ぜひとも、
経済・法律・会計などの基礎科目に向き合うことをお薦めします。

(終)

ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動
https://amzn.to/3uHtOY9

超限戦 21世紀の「新しい戦争」 (角川新書)
https://amzn.to/30Y8HBR

目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画
https://amzn.to/3rHiU2N

--------------------------

参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。

2023年03月24日20:58
投資戦略動画(公開用)20230324  バランスシート不況の始まり。流動性(リクイディティ)の問題から支払い能力(ソルベンシー)の問題へ
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51285307.html

2023年03月21日08:00
【週末だけのグローバル投資】会員レポートDEEP INSIDE 2023年03月号「商業不動産経由の信用収縮始まる」
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51285269.html

2023年03月18日08:00
【週末だけのグローバル投資】商業不動産経由で信用収縮の入口へ。「意識高い系投資」にご用心。背景にポリコレによる金融経済の歪み。
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51285229.html

--------------------------

金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。

またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。

弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。

ワイルドインベスターズ会員サイト
http://www.wildinvestors.com/member/

会員サイトサービス案内
https://www.wildinvestors.com/service/index.html#service

ご入会
https://ss1.xrea.com/www.wildinvestors.com/memregister/register_action.php

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 −生き残りの処方箋−
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/

 
Copyright (c) Wild Investors Inc. All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

-週末だけのグローバル投資コラム