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週末だけのグローバル投資コラム

米国の分断と世界の混乱 (9)アルケゴスの巨額損失はバブルの典型

米株は上昇を続け、SP500指数は4000ポイントを突破して新高値を更新しました。

「バリューかグロースか」

「大型株か中型株か小型株か」

などのセグメント選びは引き続き難しいですが、弊社の読み筋どおりです。

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今週の大きな話題は、アルケゴスキャピタルによる1.1兆円と言われている巨額損失。

それを被る金融機関は、未確定ながらそれぞれ以下のように言われています。

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3300〜4400億円    クレディスイス
軽微    ゴールドマン
軽微    モルガンスタンレー
軽微    UBS
2200億円    野村
330億円    三菱UFJ
100億円    みずほ
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主な買い銘柄
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バイアコムCBS
GSXテクエデュADR(中国企業、跟誰学)
百度(バイドゥ)ADR
テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(騰訊音楽娯楽集団)
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アルケゴス破綻の経緯を見ていると、まさに「バブルあるある」と思います。

アルケゴスキャピタルは1.1兆円の純資産で、
CFDなどを使ってその3倍のポジションを取っていました。

CFDは売買を「やったことにする」架空の相対取引であり、
大量保有報告書を出す必要がありません。

またうまくやれば、売買の手口やポジションの大きさを隠すことができます。

そのポジションを一気に解消したことで、
1.1兆円の純資産をほぼ吹き飛ばしたと見られています。

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ゴールドマンのブロック取引、フアン氏扱い巡る方針転換が発端か
2021年3月29日 8:49 JST 更新日時 2021年3月29日 13:53 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-28/QQP6QNDWX2PS01
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    タイガー出身フアン氏のオフィス、大規模なマージンコールの渦中に
    ゴールドマンはフアン氏を注意人物リストから削除、多額の信用提供

ゴールドマン・サックス・グループは2018年後半までは、
元ヘッジファンドマネジャーでインサイダー取引で有罪を認めた経歴のある
ビル・フアン氏との取引は危険だとして断っていた。

しかし、そうした危惧は長続きしなかった。

ウォール街の一流投資銀行であるゴールドマンは、
フアン氏のような大金を賭ける「クジラ」が同業者に支払う年間数千万ドルの手数料に
魅せられ、同氏の名前を取引注意人物リストから削除し、主要顧客とすることを認めた。

モルガン・スタンレーやクレディ・スイス・グループなどと同様、
ゴールドマンもフアン氏に数十億ドルの与信を行い、中国の百度(バイドゥ)や
米メディア企業のバイアコムCBSなどの株式への大きくレバレッジを効かせた賭けを可能にした。

こんなフアン氏は今、史上最大級のマージンコールの渦中にあり、
同氏の巨大ポートフォリオは厄介で痛みを伴う清算過程にある。

ゴールドマンはファン氏の扱い方を転換した結果、この騒ぎに巻き込まれた格好だ。

事情に詳しい関係者2人によれば、フアン氏は26日、
200億ドル(約2兆2000億円)余り相当の株式処分を複数の金融機関から迫られた。

極めて大量のブロック取引が慌ただしく行われたことを投資家は前代未聞の事態と呼んだ。(略)
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これはバブル期に見られる、典型的な巨額損失パターンです。

上昇相場が続くと担当者はイケイケになります。

なぜならそうならないと成績が相対的に見劣りするようになり、
クビになるかもしれないから。

またそれによって金融機関が破綻しても、
それまで稼いだボーナスは返す必要はありません(悪質な例外は除く)。

だからどうしても「やったもん勝ち」となり、倫理的なタガが緩むのです。

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これで米株の上昇が終わるとは思いません。

それでも中国企業や欧州金融機関などにダメージが蓄積する可能性は残っています。

そう考えるとやはり、米国以外の国で上昇相場が先に終わると考えざるを得ないのです。

(終)

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  第1節    取引所取引と相対(OTC)取引
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