シリア内戦が終わり米国は中国対策に集中する (1)ウイグル人拘束非難・台北法・公的年金から中国株排除
10月29日シリア北部でシリア軍とトルコ軍の戦闘が起こり、
シリア側に6名の死者が出ました。
しかし弊社は「シリア内戦はこれで終わり」と考えます。
アラブの春(2011年)を皮切りにイスラム国の隆盛と滅亡。
シリアだけでも国民の半数以上の1200万人が家を追われ、
560万人の国外難民を生み出した騒乱が8年ぶりに終わるのです。
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結局、シリア和平に力を尽くしたのはロシアでした。
そのロシアが言うのであれば、トルコはもう越境することはありません。
シリアのアサド政権はもちろん、イランとも話はついています。
ロシアの庇護のもと、シリアは8年ぶりに秩序を取り戻そうとしています。
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ロシアが同盟国の信頼を勝ち得たのとは対照的に、
米国が協力者を見捨てることになりました。
(それがマティス国防長官が辞任した理由です)
それが面白くない人々は、これからも中東の火種を煽るでしょう。
ロシアの勢力圏が中東で広がったことは、
将来的に米国にとって大きな問題を生み出すはずです。
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しかし今はそれが最優先の課題ではありません。
米国はその代わりに中東の泥沼から抜け出し、
アジアに注力することができるようになったのです。
このあたりの話は会員さん向け特別メール
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投資戦略アップデート(20191031)[特別] シリア内戦はおそらく終わり
- 米国は中東の泥沼から抜けアジアに注力する
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に書きました。
来週リリース予定の会員レポートに再掲しますので、
興味のある方は会員になってみてください(月額2,600円より)。
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シリアでの失点を埋め合わせるかのように、米国は対中政策を矢継ぎ早に放っています。
29日には国連で米日など23か国が、中国のウイグル人拘束を非難しました。
米国と同盟国が足並みを揃えて、人権問題から攻めているのです。
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中国はウイグル族の拘束停止を=日米など23カ国が要求−国連
時事 2019年10月30日09時37分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019103000364&g=int
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日本や米英独など23カ国は29日、
中国新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の少数派ウイグル族らに対する
「恣意(しい)的拘束」をやめるよう中国に求める共同声明を発表した。
ピアース英国連大使が国連総会第3委員会(人権)で声明を読み上げた。
中国は強く反発した。一方、ピアース氏によると、
決議案などの具体的措置は計画していない。(略)
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また米国の上院と下院が、台湾との交流を促す「台北法」を可決しました。
中国の圧力で台湾との国交を断絶する小国があるので、
「それはやめよう」とブルーチームが集団で台湾を守るとのことです。
「台湾を国家として承認しよう」との動きもあります。
これはもちろん米中国交回復以来の「ひとつの中国」を踏みにじる行為。
しかし米国は韓国を切り離し、代わりに台湾を取り込む意思を明確にしています。
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米上院、台湾支持の法案を可決 各国との関係安定促す
フォーカス台湾【政治】 2019/10/30 13:03
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201910300001.aspx
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(ワシントン中央社)米議会上院は29日、
台湾の外交関係や国交を結んでいない国との民間交流、国際参加などを
支持するよう米行政機関に促す「台北法案」(TAIPEI Act)を全会一致で可決した。
法案では、蔡英文総統が2016年に当選してから中国が台湾に圧力をかけ続けていると言及。
米国や日本、オーストラリア、インドなど外交関係を持たない国との非公式な関係は
台湾の経済の強化や国際的な空間の維持に重要だと指摘し、米国は経済や政治、
安全保障面で台湾を支持するべきとの立場が示された。
台湾に害をもたらす深刻な行動を取った国との
「経済や安全、外交分野における接触を減らす」ことを検討するべきだともしている。 (略)
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さらに米公務員年金の中国株投資を阻止する法案が提出されました。
弊社の「特別メール」で何度か解説したように、
トランプ政権が否定してもこの話は進んでいるのです。
提出したのは共和党のルビオ上院議員。
香港人権法の成立にも尽力した共和党のエースです。
これが通れば先進国民は中国株を買わなくなるでしょう。
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ルビオ上院議員、米公務員年金の中国株投資を阻止する法案提出へ
朝日新聞 2019年10月29日15時33分
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN1X80K2.html
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マルコ・ルビオ米上院議員は28日、
公務員年金の中国株投資を阻止する法案を提出すると発表した。
連邦政府の年金基金が運用方針について、
中国株を含むMSCIの株式指数への連動見直しを先送りしていた。
ルビオ氏と超党派の議員は、
連邦職員の退職金である連邦公務員向け確定拠出型年金(TSP)を運用する政府機関、
連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)に対して、中国株を含むMSCI総合世界市場
(米国除く)株式指数に連動する運用方針を変更するよう求めていた。(略)
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SP500指数は7月の史上最高値を更新し、米国株は絶好調です。
しかしその裏で、中国経済ブロックの排除は着々と進んでいます。
中東を放り投げて本気になった米国がこれから何をやるのか。
「来るべきものが来た」ときに慌てぬよう、
あらかじめ「見えている地雷」は避けておいてください。
(終)
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気になるチャート20191101
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