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週末だけのグローバル投資コラム

中国を米金融市場から締め出すか? (3)香港人権法可決で中国は後に退けない

10月15日、米下院が香港人権法を可決しました。

これは既報の通り香港の自治を「米国が検証」し、
それに応じて香港への優遇措置を判断するというもの。

場合によっては制裁や渡航制限を課すとなっています。

下院だけでなく上院も類似の法案を可決する見通しです。

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米下院、香港人権法案を可決 中国への非難鮮明
CNN 2019.10.16 Wed posted at 13:05 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35144038.html
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(CNN) 米下院は15日、民主化を求める香港での大規模デモを擁護する
「香港人権・民主主義法案」を可決した。

警察がデモの鎮圧強化に動くなか、中国政府に対する非難を明確に打ち出した形だ。(略)

同法案は、年次報告書によって香港の自治が十分に機能しているかどうかを
検証することを義務付ける。

この検証に基づき、米国の法が定めた香港への優遇措置の妥当性を判断する。

また香港での人権弾圧に故意に関わったとみなされた人物に対し、
米大統領が制裁や渡航制限措置を科す手順も明示している。

香港の人権をめぐっては上院でも今後、
下院と若干内容を異にする別個の法案が採決にかけられる見通しだ。(略)
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この法案は当初よりも制裁色が強くなったようです。

デモ参加者への弾圧が激化し「不自然な自殺」が急増していることが、
このような配慮につながったのでしょう。

たとえば平和デモ以外の勇武派デモでも、
逮捕されたら政治犯として扱われ米国はビザ申請を拒否しないとされています。

戦う香港市民をサポートする態度を鮮明にした、ということです。

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一方、中国政府はこれに強く反発。

報復まで仄めかしています。

それも当然で、中国国内にはウイグル・チベット・内モンゴル・法輪功・
地下教会などが同様の弾圧を食らっています。

香港への介入を許せば、そのすべてに火がつきかねません。

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これに先立つ13日に習近平氏は
「中国の分裂を図る者は『体を打ち砕かれ骨は粉々に』される」と脅しました。

リアルに「生きるか死ぬかの問題」なので、譲歩はできないのです。

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中国分裂を図る者は「体を打ち砕かれ骨は粉々に」、国家主席
AFP 2019年10月14日 13:41
https://www.afpbb.com/articles/-/3249389
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香港で4か月にわたり民主派のデモが続いている中、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、
中国の分裂を図る者は「体を打ち砕かれ骨は粉々に」されるだろうと述べた。

中国外務省が13日、明らかにした。

 習氏がこの恐ろしい見解を示したのは週末のネパール訪問中のこと。

外務省によると習氏は、
「いかなる地域であれ、中国から分離させようとする者は体を打ち砕かれ骨は粉々にされて
死ぬだろう」と述べ、
「中国の分裂を支持するいかなる外部勢力も、
中国人からは妄想をしていると見られるだけだ」と指摘した。(略)
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中国政府の声明はときに感情的ですが、この件に関しては特にナーバスです。

そもそも中華が蛮族に「検証・評価」されるなど、あってはならないことです。

米中協議のように「対等に交渉」されるだけでも居心地が悪くて我慢ならないのです。

ましてや「優遇撤廃や制裁などと、
お前はいったい誰に対してものを言っているのか」と思うのが中華思想。

それを知っていれる人であれば、
「米中貿易協議が進展する」などという非現実的な期待は持たないでしょう。

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普通に考えるなら、11月のAPEC首脳会議で米中が合意文書にサインすることはありません。

それどころか弊社は、トランプ大統領と習近平主席の会談すら行われないと予想します。

急所を何度も痛打してくる者に、中華皇帝がニコニコ笑って謁見することはありません。

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一方でトランプ大統領は、
香港デモを「通商協議のカード」ぐらいにしか思っていなかった節があります。

習近平氏と会談して、協議をまとめる気マンマンです。

しかし相当鈍い人でなければ、
この法案が超党派・全会一致で可決されたことの意味をいずれ知るでしょう。

すでにシリアからの米軍を撤退させるという失策によって、
共和党内からの突き上げも強まっています。

中国・北朝鮮・トルコに甘かったトランプ大統領も、
来年の選挙に向けて態度を変えるかもしれません。

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そのときに日本の安倍政権はどうするのか。

中国に対する温度差は、潜在的な日米同盟の危機を孕んでいます。

中国側は間違いなく、その亀裂を突いて来るでしょう。

平穏で堅調な株式市場とは裏腹に、地政学リスクは高まるばかりです。

(終)

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