11年で80%下落したトルコリラ。自由と豊かさから遠ざかるエルドアン政権
トルコリラがまたもや、危うい動きをしています。
今週は対円で7%急落したかと思ったら、
すぐに切り返して下落前の水準よりも上昇しました。
しかしそこからまた下げに転じ、上値の重さを示しています。
昨年8月の安値を目指す展開になってゆくのかもしれません。
[ZAI FXチャート]https://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail?pair=TRYJPY&time=1d#charttop
*****************************************************
*****************************************************
弊社は数年前から「トルコは危険」と書いてきました。
エルドアン大統領はロシア機撃墜事件(2015年11月24日)で
プーチン露大統領と会談。
それをきっかけに米国から離れてロシアに急接近しました。
当時は米国がオバマ大統領であったため、
「この親分は頼りにならない」と見限った部分もあるのでしょう。
*****************************************************
2016年7月には謎が多いクーデター未遂事件が起こり、
エルドアン大統領はそれを鎮圧。
それ以来「イスラム化」を旗印に独裁体制を強化しています。
弊社はこれを「逆トルコ革命」と呼んで警鐘を鳴らしました。
それを知っていれば、昨2018年8月のトルコリラ急落で
傷を負うことも避けられたと思います。
https://zai.diamond.jp/list/fxchart/detail?pair=TRYJPY&time=1w#charttop
-----------------------------------------------------
2016年07月20日11:20
オバマ政権の大失態。「逆トルコ革命」で世界は大混乱へ
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51212421.html
-----------------------------------------------------
2018年08月11日
対抗関税の損得勘定 (6)「見えていた地雷」トルコリラ爆裂!
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51254405.html
-----------------------------------------------------
*****************************************************
*****************************************************
新興国通貨は一般的に
「ジリ高と急落を繰り返しながら、長期的には下落する」
傾向があります。
その理由は、拙著
「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ2 タブーとリスク篇」
https://amzn.to/2FL9ECJ
に書いた通りです。
*****************************************************
高いスワップ金利で人気を集めたトルコリラも、この原則から外れていません。
2007年末の水準と比較すると、対ドルで約80%下落しています。
わずか11年ちょっとの期間に、
100だったものが20にまで価値を下げてしまったのです。
スワップ金利が高いので、値下がり分が丸損というわけではありません。
しかし元本がその勢いで縮小すれば、
スワップ収入ではとても追いつかないでしょう。
新興国投資はタイミングを選ばないと、回復不能な傷を負ってしまいます。
*****************************************************
*****************************************************
トルコ当局はトルコリラ売りを推奨した証券会社に対し、
「投資家を誤った方向に導き、操作する意図があり」
「結果として相場の変動性を高め、トルコの銀行の評判を傷つけた」
として調査に乗り出す構えです。
-----------------------------------------------------
トルコ当局、JPモルガンを調査−リラ急落前のリポートを非難
Bloomberg 2019年3月25日
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-24/POVL0W6K50XS01
-----------------------------------------------------
*****************************************************
しかしこれは逆効果だと思います。
市場の評価に対しては反論なり是正をすべきで、
言論の自由を圧迫すべきではありません。
そんなことをすれば投資家は「正確な情報が得られない」と判断し、
資金が逃げてゆきます。
独裁国家はそれが理解できないようで、
締め付けをますます厳しくして国を傾かせるのです。
*****************************************************
*****************************************************
現在、世界経済はブロック化しつつあります。
最も有力で繁栄と続けそうなのは米国ブロック。
次に欧州ブロックですが、少なくとも相対的に地盤沈下するでしょう。
中国ブロックやロシアブロックは、
米国市場にアクセスできなくなるとかなり厳くなります。
米国から離れたトルコに対しても、強い逆風が吹き続けると考えます。
*****************************************************
米国経済は好調ですが、
他の地域では景気スローダウンの兆候がちらほら出ています。
弊社はそれらを踏まえた上で、投資戦略を構築しています。
次回の会員レポートでは、そのあたりの話を掘り下げる予定です。
-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。
投資戦略動画(公開用)20190329
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51260195.html
-----------------------------------------
金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。
またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。
弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。
ワイルドインベスターズ会員サイト
http://www.wildinvestors.com/member/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
週末だけのグローバル投資 −生き残りの処方箋−
発行責任者 ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト http://www.wildinvestors.com/member/
Copyright (c) Wild Investors Inc. All rights reserved.
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★