対抗関税の損得勘定 (2)独裁国家は自由市場や顧客を理解できない
それにしても不思議です。
製品を買ってくれるのですから、中国にとって米国は「良いお客さん」です。
しかし米国の方は中国が利益を上げていることが気に入らないので、
関税をかけました。
すると中国の方も怒って、米国に対抗関税をかけてきました。
お客さんの「不満」に対し、中国政府は「報復」で応えたのです。
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このことからも、今回の件が単なる貿易問題ではないことがうかがい知れます。
ゼニカネの話なら、かつて日本や台湾がやったように黒字を還元すれば済む話。
しかし中国は米国から利益を得て、覇権を奪おうとしています。
米国はその動きに気付いて、利益を与えないようにしています。
ゼニカネで済む問題ではないから拗れているのです。
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そもそも、独裁国家は自由市場や顧客のことが理解できません。
市場で「取引」しなくても、強権を使って「徴収」することができるからです。
鉄道や高速道路用地が必要なら、住民を立ち退かせれば済む話。
わざわざ住民を納得させたり、費用を払ったりすることもないのです。
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かつて中国株の下落が止まらなくなった2015年ごろ、
株式で多くの銘柄が取引停止となりました。
中国政府は株を売ることを禁じ、大企業に買い支えを命じました。
それによって株価下落を止めたと、誇りに思っていることでしょう。
しかしそれによって、中国株を「資産」と考える先進国民は減ってしまいました。
「いきなり売ることを禁止される株」を買う人間はいないからです。
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かつてソ連は市場メカニズムを軽視したゆえにイノベーションに後れを取り、滅びました。
中国はその反省から改革開放路線を進めましたが、形だけの導入に終わっています。
自由市場では情報も自由に行き交うため、独裁国家には都合が悪いです。
形だけ真似ても本質的には全く異質なままであり、市場とは呼べないものなのです。
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独裁国家には言論の自由がありません。
議論も批判もジャーナリズムもありません。
顧客が自由に取引し、適正な価格が形成されるという意味がわかりません。
市場や貿易を理解するマインドそのものが欠けているからです
その重要な「インフラ」がないため、いずれ経済が衰退する運命にあります。
(終)
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