対抗関税の損得勘定 (1)新興国連鎖危機に拍車
2019/01/28
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2018年7月6日、トランプ米政権は340億ドル(約3兆7600億円)相当の
中国製品に対して25%の関税を賦課しました。
中国もすぐさま同規模の報復関税を発動。
米国の保護主義と、貿易戦争がエスカレートする懸念が広がっています。
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弊社は「これは通商問題ではなく安全保障問題である」と書いてきました。
米議会や紙上での論争を見ると、そのことは全く隠されていません。
親中派が多い米民主党議員ですら、中国に対する好意的な見方を翻しています。
少し調べて考えれば、すぐわかる話です。
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第365号 米中冷戦シフト (3)関税強化は「経済問題」ではなく「安全保障問題」
【週末だけのグローバル投資】2018年04月07日
https://archives.mag2.com/0001237271/20180407191000000.html
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51248730.html
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しかし米国にとって国防問題であることを隠し、
通商問題の側面だけをクローズアップする人々がいます。
「トランプは保護主義者」
「世界のトラブルメーカー」
「習近平は自由貿易の守護者」
「トランプ辞めろ!」
中国が関税によって締め上げられることを嫌がったり、
北朝鮮の核放棄への圧力をやめさせたい人々が、
「トランプ降ろし」の論陣を張っています。
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ただし、そう言われても仕方のない面もあります。
というのも日・英・EU・カナダ・メキシコといった、
先進国や同盟国にまで関税をかけているからです。
それは「敵を欺くにはまず味方から」と弁護することも不可能なレベル。
関税のメリットとデメリットを理解していないと疑われてもしょうがないでしょう。
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米国が安全保障面で中国・ロシアよりも優位に立ちたいのであれば、
先進国や同盟国とで自由貿易圏を作るべき。
その一方で、主要な物資や技術の流出を防ぐべきです。
すると米国側(ブルーチーム)は栄え、中国・ロシア側(レッドチーム)は衰退します。
米ソ冷戦時はココム(対共産圏輸出統制委員会1950-1994年)
によってそれを実行していました。
おそらく今回の関税も、そのような方向に進められて行くでしょう。
弊社は同盟国に対する関税に限っては、楽観的に考えています。
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今回の関税引き上げは、単なる選挙対策だと思わない方が良いです。
米国という覇権国家が、繁栄と生存を賭けての行動だからです。
あちらこちらで米国の支配を突き崩す動きをしておいて、
「仲良くしましょう」は通じません。
中国への輸出入だけでなく、技術提携や企業買収にもストップがかかるはずです。
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今回の対抗関税で困るのは、輸出で成り立っている工業国です。
輸出依存度が大きい国ほど、ダメージを食らってしまいます。
特に困るのは新興国でしょう。
今はただでさえ「米国の利上げ」と
「欧州の緩和縮小」でマネーが引き上げられているところ。
そこで輸出に急ブレーキがかかり、成長が止まってしまうのです。
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これは新興国連鎖危機へと至る道です。
すでにその動きは、株式や通貨に表れています
会員さんには以前「中国株と人民元がひっそり下げているので注意してください」
と知らせておきました。
いまやそれは隠しようがないほど明かな動きになっています。
ここでの対抗関税は、弊社が言う「本流」に拍車をかけてしまうのです。
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ではこれによって、米国は困らないのでしょうか?
困るには困るのですが、損害は非常に軽微だと思います。
米景気が腰折れする可能性はほとんどありません。
むしろ今のタイミングであれば、
インフレ鎮静化の「良い増税」になってしまう可能性すらあります。
なぜそう言えるのかは、
数日内にリリースする会員レポート「DeepInside 2018年07月号」で詳しく説明します。
(終)
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気になるチャート20180706
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パフォーマンス 2018年06月
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51253250.html
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