最大のリスク要因となった日銀 (1)何かやらないと不安で仕方ない
2019/01/28
2016年9月21日(水)。
日銀がまたしても動いて微妙な金融緩和(?)を打ち出しました。
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今回導入したのは「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」。
第1に長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」。
第2に消費者物価上昇率の実績値が安定的に1%の「物価安定の目標」を超えるまで、
マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」。
大変失礼ですが、いずれも枝葉末節の「金融緩和もどき」です。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160921a.pdf
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イールドカーブの形を変えたところで、資金需要がないことは変わりません。
経済活動の「結果」である長期金利をいじることで、
経済活動を活性化させようと考えるのは本末転倒です。
長期金利まで操作して、規制金利の時代に戻りたいのかと思います。
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日銀は出番が来るたび「何かやれよ」と命じられる若手芸人のようです。
様々な人々がメディアを使って記事を飛ばし、圧力をかけてきます。
日銀もそうしないと、株価や国債価格が崩れそうで不安なのでしょう。
それが「効果がわかりにくい政策」となって次々に打ち出されます。
今回のように堅調な市場においても「何かやらないと不安」なのです。
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しかしせっかくネタを披露しても、効果は数時間しかありません。
やらないと宣言していた「戦力の逐次投入」によって、
金融政策の限界がさらにはっきりしたのです。
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日銀にも気の毒な面があります。
消費税引き上げという「超絶デフレ政策」のツケを、支払わされているからです。
しかしサプライズによって市場を「鎮圧」してきた反動と考えるならそれも「自業自得」。
対話を怠ったツケは、信任の喪失となって大きく響いています。
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日銀会合の結果が出る日、市場は疑心暗鬼に包まれます。
ちょっとした噂で市場が動き、逆指値が一気に刈られて急騰・急落します。
活気を失った日本市場において、いまや日銀が最大のリスク要因となったのです。
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ワイルドインベスターズ株式会社