訪日外国人客数・周遊ルート~もっときめ細かく日本を堪能してもらえるプランを
2016/09/25
・JTB 最大793万人の個人情報流出
・訪日外国人客数 今年の訪日外国人客数 1000万人超
・ラオックス ラオックス株が年初来安値
・周遊ルート 新たに4周遊ルートを認定
・国内リゾート 北海道苫小牧市で大規模開発
・ピーチ・アビエーション 2020年度までに40機体制に
JTB個人情報流出は、パスポート情報が大きな問題
大手旅行会社JTBは14日、最大で約793万人分の個人情報が流出した可能性があると発表しました。
旅行商品を販売する子会社i.JTBの社員が取引の航空会社を
装ったメールの添付ファイルを開いたところ、パソコン6台とサーバー2台が
次々と標的型ウィルスに感染したということです。
ベネッセ、ヤフーなど個人情報流出の過去にもいくつかの事例がありますが、
今回の場合にはパスポート情報が含まれている点が大きな問題だと思います。
この情報が中国系と言われている人たちに渡ると、
パスポートの偽造などに利用される可能性も考えられます。
取引先を装ったメールの添付ファイルを開いてウィルスに感染してしまったということですが、
きちんとしたセキュリティソフトを使用していれば、防ぐことができたのではないかと思います。
その意味で、セキュリティを見直す必要もあるでしょう。
いずれにせよ、パスポート情報が含まれているのは、由々しき問題だと思います。
訪日外国人客数の見通しと今後の企業への影響は?
観光庁の田村長官は15日開いた記者会見で、
2016年の訪日外国人について6月5日時点で1000万人を超えたことを明らかにしました。
日本政府観光局が15日発表した5月の訪日外国人客数は、
前年同月比15.3%増の189万4000人で、5月としては過去最高でした。
若干、訪日外国人客数に陰りが見えるタイミングもありますが、
総じて上向いています。
ただし、一人あたりの観光客が使うお金が減ってきているのが課題です。
このまま推移すれば、政府が見込む3000万人には届かないかもしれませんが、
今年中に2000万人を突破するのは間違いありません。
ホテルそのものが埋まっていて、にっちもさっちもいかない状況となっていて、
宿泊施設をどうするのかというのは大きな課題です。
このような状況を受けて、免税品大手のラオックス株が17日に続落し、
一時前日比7%安の80円と連日で年初来安値を更新しています。
いわゆる「爆買い」ブームが一巡したことに起因するとも言われていますが、
それよりも中国政府が外から持ち込む商品について高い関税を設定したことが影響しているのだと私は思います。
訪日外国人の一人あたりの買物額は減少傾向にありますが、
そこまで大きなものではありません。
ラオックスが一喜一憂するほどではないと思いますが、
株価は敏感に反応してしまうのでしょう。
今後、爆買一巡というニュースを受けて、
他にも影響を受けるところが出てくる可能性もあると思います。
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もっときめ細かく日本を堪能してもらえるプランを
観光庁は14日、訪日外国人に長期滞在を促す広域の周遊ルートを
北海道、関東、山陰、沖縄の4地域で認定したと発表しました。
国が資金面で支援し、官民一体で宣伝したり旅行商品をつくったりして
訪日客を呼び込む狙いとのことですが、実際には難しいところがあります。
これまでの11ルートに加えて、新たに4つのルートを設定しましたが、
いずれもこれまでにずっと要望があったところで、一般旅行客には行きづらいところも含まれています。
日本のてっぺん・北海道ルートや、沖縄の離島を回る沖縄ルートなど、
3泊~4泊の旅行で来日する人にとっては現実的ではないでしょう。
また東京回廊のルートは、東京周辺ばかりであまり魅力的には見えません。
鳥取県と島根県のルートは私は推したいところです。
出雲大社だけではなく、見どころがたくさんある地域です。
萩から下関に向かう道も美しいですし、ぜひ外国人観光客に見てもらいたい場所です。
大雑把に4つルートを追加するのではなく、
もう少しきめ細かく海外の代理店にも理解しやすいプランを練ってもらいたいところです。
現状だと、単なる官公庁のリップサービスという意味合いが強いだけだと感じます。
メディカル・ツーリズムのニーズは高い/LCC唯一の成功事例
森トラストの森章社長が個人で全額出資する投資会社、
MAプラットフォームが北海道苫小牧市で大規模なリゾート開発を始めます。
北海道に一週間程度滞在する海外の富裕層の需要を取り込むということで、
総事業費は600億円で2020年の部分開業を目指すとのことです。
目指すのはいわゆるメディカル・ツーリズムです。
ホテル1つと、その周辺に1つ330坪もあるコテージを用意。
一週間の滞在期間中に、若干の治療やダイエットなどができるという施設になります。
こうした施設は米国には数多く存在し、中国の富裕層を想定するとニーズは高いはずです。
日本のメディカル・ツーリズムとなれば、中国だけでなくロシアの富裕層も取り込める可能性も高いでしょう。
韓国、シンガポール、インドも力を入れている分野です。
格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは14日、
2020年度までに機材数を現在のほぼ2倍の40機に増やす方針を明らかにしました。
同日発表した16年3月期単独決算は営業利益が前期の2倍強の61億円でした。
累積損益も解消したということで、LCCの中で唯一健全な経営状況で回り始めたと言えます。
ANAが資本参加していますが、20機~40機となると単体としても十分独立してやっていける規模になったと見て良いと思います。