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大前研一ニュースの視点

武田薬品工業/リクルートHD/富士フイルムHD/米携帯電話大手~武田薬品の未来は日本企業ではなくなる

2019/01/29

・武田薬品工業 シャイアー買収で合意
・リクルートHD 米グラスドアを買収
・富士フイルムHD 米ゼロックス買収手続きに一時停止命令
・米携帯電話大手 2019年に合併で合意

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▼武田薬品の未来は日本企業ではなくなる
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武田薬品工業は8日、アイルランド製薬大手シャイアーの買収で合意したと発表しました。

買収額は約460億ポンド(約6兆8000億円)で
日本企業による海外企業の買収では過去最大となります。

端的に言うと、これで武田薬品は今後日本人の経営者が主導する可能性は低く、
日本の企業ではなくなっていくことになると思います。

クリストフ・ウェバーCEOを選んだ時から、
このような道が決まっていたとも言えます。

ウェバー氏にしてみれば、依頼どおりにCEOも務めたし、
世界トップ10に入ったという自負があるでしょう。

もしクビになるなら、どうぞご自由にという心境だと思います。

シャイアーの買収にあたって厄介なのは、
企業の内部・中身が一体化していないことです。

シャイアーは、特殊な薬を開発していた小さい企業をいくつも買収を重ね、
最終的に税金の安いアイルランドへおさまっているという企業です。

武田薬品はまとまりがある良い企業ですが、
この買収により変質してしまうでしょう。

そう考えると、
よほど天才的な経営手腕を発揮する日本人が現れない限り、
武田薬品を経営することは難しいと思います。

ルノー・日産連合と同様です。

武田薬品とシャイアーが合併すると、
売上高は約3.3兆円で製薬会社としては
世界で6位~7位の巨大企業になります。

その規模の企業を牽引するという意味でも、
日本人経営者が誕生するのは難しいと感じます。

武田薬品の株価は下落傾向が見られます。

シャイアーは良い薬を保有していますが、
主なマーケットは米国なので、
日本のマーケットにおいての好材料とはなっていないのだと思います。

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▼リクルートであっても多国籍企業への適応は難しい
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リクルートホールディングスは9日、
米国のオンライン求人サービス大手グラスドアを
約12億ドル(1285億円)で完全子会社化すると発表しました。

グラスドアは現役社員や元社員の口コミを集め、
それをもとに求人企業とマッチングするサービスを展開しているということで、
2012年に買収したインディードとシナジー効果を発揮できるとしています。

CMでも話題のインディードをすでに買収しているリクルートですが、
資金は十分に持っているので、今後も世界一になるまで
拡大を目指していくことでしょう。

まだ世界トップのスイスのアデコに比べれば小さいですが、
それでもようやく6合目レベルに到達したと言えます。

今後は、より「人」の問題が顕在化してきます。

リクルートと言っても、アデコのような多国籍企業を
経営する体質は持っていません。

この問題をどのように解決していくのか。
経営は難しい局面を迎えます。

日本企業の多くが海外の企業を買収したあと、
この手の問題に躓いてしまいます。

リクルートは日本企業の中では柔軟な体質を持っていると思いますが、
それでもやはり難しい領域の問題だと私は思います。

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▼富士フイルムは撤退も考慮すべき
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富士フイルムホールディングスが
米事務機器大手ゼロックスを買収する計画について、
米ニューヨーク州上級裁判所は、先月27日、
ゼロックスに対して手続きの一時停止を命じました。

「ゼロックスの価値を過小評価している」とする大株主の評価を認めたもので、
これに対して富士フイルムは上訴する姿勢を示しましたが、
今後買収案の変更などを迫られる可能性もあります。

この動きは、カール・アイカーン氏が反対して
値段を釣り上げているだけでしょう。

富士フイルムとしては、
釣り上がった高値で買収する結果にならないように
注意してもらいたいところです。

富士フイルムの古森会長の威信に傷がつくかも知れませんが、
無理に高値掴みをする結果を招くなら、
手を引くというのも選択肢の1つだと思います。

無理に意地をはるべきではないでしょう。

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▼孫正義社長はスプリントの経営再建に失敗した
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ソフトバンクグループ傘下で米携帯電話4位のスプリントと
3位のTモバイルUSが2019年を目処に合併することで合意したと発表しました。

合併に伴いソフトバンクは議決権を間接的に公使できる権利を
ドイツテレコムに付与する方針です。

ソフトバンクの孫正義社長は、
スプリントの経営再建に失敗したと言われています。

Tモバイルが契約者数を伸ばしているものの、
スプリントとTモバイルが合併しても、
上位2社であるベライゾンとAT&Tに追いつくことはできません。

つまり、3位と4位が合併しても3位のまま、という状況です。

孫正義社長としては、スプリントが原因となって
ソフトバンク自体の評価が伸び悩む事態を避けたいと考えた結果、
ドイツテレコムという選択肢が出てきたのだと思います。

もちろん、5G関連投資を一緒に進めるという必要性もあるでしょうが、
それが一番の理由ではないと私は見ています。

もっと別の奇策を狙っているとする記事もありますが、
もしそんなことが可能ならば、
スプリントがTモバイルの後塵を拝する結果になっていること自体が
あり得ないと私は思います。

実際にスプリントの客数は減り、
安売りしているという事実もあります。

そのような状況で、スプリントのマルセロ・クラウレ氏を
ソフトバンク本体のCOOに選任しました。

私としては、ニケシュ・アローラ氏の失敗を思い出してしまいます。

今度こそ本当に大丈夫なのか?
不安を拭い去ることができない心境です。

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