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大前研一ニュースの視点

東日本大震災~復興計画の肝はスピード

2016/09/25

東日本大震災:復興政策「評価する」31%

復興計画の肝は、スピード

日経新聞の調べによると、3月11日で5年を迎えた東日本大震災の復興に向けた
政府の取り組みについて「評価する」は31%で「評価しない」が52%とのことです。

また原子力発電所については「再稼働を進めるべきだ」が昨年10月下旬の調査より3ポイント低下し26%。

「再稼働を進めるべきでない」は4ポイント上がって60%になっています。

医療設備など復興しているものもありますが、海側の対策や新しい住宅の建設などは全く進んでいるとは言えません。

5年前の震災直後3月19日にも私は明確に言いましたが、復興計画、及びその実施はとにかく早く進めることが大切で、
待てば待つほど住民のコンセンサスをとることは難しくなります。

東日本大震災の場合で言えば、「津波にやられたところは津波プレーンとして、
住まない地域」として復興を考えないほうがいいと指摘しました。

私自身、バイクで津波にやられた地域を見て回りましたが、東日本大震災よりもさらに深い場所に、
過去に津波に襲われた箇所を示す石が置いてあるのを見かけました。

つまり、東日本大震災で津波に襲われた地域は、長い歴史の中でも何度もやられていたのです。

だから、もうそこに住むこと自体をやめて、代わりに安全な高台に町ごと移すイメージで復興計画を立てるべきだと主張しました。

どうしても危険な地域に住みたいなら、自己責任で住んでもらうしかありません。

こうした復興計画はスピードが肝要です。

関東大震災のとき、復興計画は後藤新平が一晩で作り上げたそうです。

瓦礫を横浜に持って行き、それが元になって今の山下公園につながっています。

阪神淡路大震災後も、ほぼ1年半で復興しています。

こうした過去の事例に比べても、東日本大震災の復興計画はあまりに遅すぎます。

結局、明確な復興計画を提示しないために、住民の意見がまとまらずにいます。

元の場所に戻って住みたい人が3分の1、二度と元の場所には戻りたくない人が3分の1、高台に住みたいという人が3分の1。

もうにっちもさっちもいかない状況です。

日本人にはそういうパターンがあるのです。

こんな状況ですから、復興政策を評価する人が少ないのは当たり前でしょう。

おまけに東日本大震災の復興には無限の資金を投じています。

日本郵政グループの上場益など、何かあれば復興財源に充ててきました。

これに対して反対意見を言うことは、倫理的に許されない風潮があります。

それだけ資金を投じても、もう1度同じような津波が来たらやられてしまうような中途半端な防波堤ばかり作っています。

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原発再稼動は、国民の感情に根ざしているので難しい

原発再稼動を進めるべき、という意見も少ないとのことですが、
日本人のメンタリティからすれば当然こうなるだろう、と思います。

私は、福島第一原発事故の分析を徹底的に行なって、対策レポートも書き上げて公開しました。

実際に分析してみて、福島第一原発の事故は信じられないルールや仕掛けに端を発しているもので、
今後対策を講じて同じような状況を避けることは可能だとわかりました。

それも全てレポートに書きましたが、残念なことに政治家でまともに目を通した人は、細野氏くらいでした。

他の人はまともに読むこともなく、民衆の意見に流されているだけ、というのが私の印象です。

日本も科学技術立国と言える存在であるなら、こういう部分だけでもきっちりとやるべきです。

そして日本の将来を考えれば、対策を打った上で原発を動かすほうが良いと私は感じています。

しかし国民のコンセンサスを得られないなら、再稼働はやめるしかありません。

そのくらい反原発運動は、相当強いものです。

私は元々、原発のエンジニアでしたが、立地についての説明に行くと、説明を聞き終えるまでもなく石を投げられた記憶があります。

国民の「感情」問題になってしまうので、仕方がないのでしょう。

それでも個人的にレポートまで作り上げた立場としては、誰か真剣に読んだ上で対策を講じてもらいたいと思います。

そして、復興計画全般については、音頭を取って、「人的被害をゼロ」にする街づくりに本気で取り組む人に登場してほしいと強く願います。


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