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大前研一ニュースの視点

国内経済・税制改正・軽減税率~税率を下げると税収が増えるという事実

2016/09/25

国内経済 7-9月GDP改定値
税制改正 2016年度税制改正大綱案を了承
軽減税率 酒・外食除く全食品で合意

「数字が信用出来ない」ものになったのは確実

内閣府は8日、7~9月期の国内総生産(GDP)の改定値として、
物価変動の影響を除いた実質GDPは前期比1.0%増になると発表しました。

速報値の0.2%減(年率0.8%減)から、2四半期ぶりのプラス成長に上方修正したもので、
速報値の発表後に明らかになった民間企業の設備投資が大幅に上方修正されたことが
寄与したとのことです。

ごまかされているのか、統計の数値が変わったのか、詳細はわかりませんが、
あまりに「実感」とかけ離れているため、経済界からは安倍首相が数値を恣意的に
いじったのではないか、という声も聞こえてきています。

いずれにせよ、今後は政府が好きな数字に着地させることができるのですから、
「数字が信用出来ない」ものになったのは確実です。

また、改定値で前期比1.0%のプラスに転じたとは言っても、
その数字ですら推移を見ると大したものではありません。

設備投資が少し増加したというのも、誤差の範囲でしかありませんし、
とてもアベクロバズーカーが炸裂した、と胸を張って言える数字ではないでしょう。

今、安倍首相はすべての省庁にGDPの算出方法について、
再度計算・吟味するよう指示を出しています。

日本の役人は小狡いところがあるので、安倍首相に言われるがまま、
ちょこちょこと数値を変えています。

何とも情けない限りです。

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税率を下げると、税収が増えるという事実

自民党税制調査会は10日午前、総会を開き、消費増税時に導入する軽減税率を除く
2016年度税制改正大綱案を了承しました。

これは法人実効税率を現在の32.11%から16年度は29.97%に下げる方針を明記したもので、
この財源として来年度から実施する外形標準課税の拡大については2016年度から3年間は、
中堅企業に限り納税額が増える分の支払いを25~75%免除する方針です。

これも安倍首相からの強い要請で動いたものですが、私に言わせれば「無意味な施策」です。

2011年から比べると、この数年間で約10%程度法人税率は下がっています。

これによる影響を効果検証もしないで、闇雲に法人税率を下げればいいと判断しているとしか思えません。

実際には数年間で約10%法人税率が下がったにも関わらず、日本における設備投資は増えていません。

ゆえに、ここからさらに数%法人税率を下げても、どれほどの効果が期待できるというのでしょうか。

世界のトレンドで見ると、日本の法人税率はドイツと同程度になりました。

しかし、アイルランドの12.5%を筆頭に日本よりも法人税率が低い国はたくさんあります。

欧州の平均でも約25%ですから日本より低い水準です。

結局、法人税率を下げても設備投資にお金が回ることもなければ、
外国企業が日本に来ることも考えづらいのです。

何を目的として「法人税率を29%」と定めたのか、さっぱり理解できません。
安倍首相の勢いだけで決まってしまったということでしょうか。

私としては無知のまま暴走する安倍首相に対して、マスコミも牽制してほしいところです。

法人税率を下げて生まれる純利益は、内部留保と配当には回りますが、
設備投資や従業員給与には回らないのです。私は何度も指摘していますが、大きな勘違いです。

さらに言えば、これまでの歴史を紐解くと「税収が増加」したのは「減税」を実施したときです。

米国ではレーガン大統領が、所得税を半額にしたら税収が増えました。

英国のサッチャー元首相、ロシアのプーチン大統領も似たようなことをやっています。

高い税率から低い税率になると、それまで税金をごまかしていた人たちが「正直」に
税金を払うようになるのです。結果として、税収が増えることがあります。

おそらく日本の当局はこのような事実を知らないのだと思います。この程度のことすら知らないとなると、
何をやっても茶番劇になってしまうし、時間の無駄でしょう。

また消費税の軽減税率の適用対象から「外食」が除かれることが決まりましたが、
これは突然自民党が言い出したことでした。

私に言わせれば、見え見えの「選挙対策」以外何者でもありません。

こんなことをやっていては、いつまで経っても日本の危機的な国家債務を返済することはできないでしょう。

政府は2020年度までにプライマリー・バランスの黒字を達成することを掲げていますが、
現状の数字を見ても、今の政府の姿勢を見ても、残念ながらまず不可能だと言わざるをえません。



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