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大前研一ニュースの視点

中国情勢/スペイン情勢 ~大国になりつつある中国。国家として本質的な問題に対処せよ

・中国情勢 中国共産党大会が開幕
・スペイン情勢 カタルーニャ州の自治権一部停止を閣議決定

 

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▼大国になりつつある中国。国家として本質的な問題に対処せよ
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5年に1度開催される中国共産党大会が18日、開幕しました。

 

冒頭に演説した習近平国家主席は、
「共産党政権下での発展は他国に新たな選択肢を示した」とし、
中国が「世界の舞台の中心に立ち、人類により大きな貢献をするときが来た」
と強調。

 

また、腐敗撲滅運動により党幹部を含む
150万人を処分したとし、1期目の成果を強調しました。

中国は自身が偉大な国になったと主張したい気持ちが大きいのでしょう。

確かに米国に並ぶ大国になりつつあり、軍事的にも強国になってきています。

しかし、一方で同時に起こっている腐敗体質について
何ら問題が解決されていないのが問題です。

中国の腐敗は共産党一党独裁が長期間続き、
許認可を全て掌握していたことに根本的な原因があります。

 

腐敗撲滅運動として約150万人の処分をしたと発表していましたが、
そもそも根っこが腐っているのではないか?
という点については、何ら対処していません。

 

そしてこれは一般民衆も感じていることだと思います。

習近平国家主席の演説を聞いていても、
中国の本当の問題には全く触れていなかったと私は感じました。

 

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、
ミンスキー・モーメントからの離脱が難しい状況にある、
という中国経済の問題点について発言していますが、
習近平国家主席からはこの点についての言及もありません。

 

私に言わせれば、このような本質的な問題を認識しているのかさえ疑問に思います。

中国という国が大国になっていくのは良いことですが、
その一方で失敗した時の影響も大きくなるという点が重要です。

世界中の国が膨張気味の中国をどうにか吸収しようとしていますが、
うまく吸収しきれなかったり、あるいは軍事戦略に利用されたりしたらどうするのか?

世界はいまだに大国への道を歩みつつある中国を消化できていない、
という状況だと思います。

 

ミャンマーのロヒンギャ問題では、
世界中からアウンサンスーチーへの批判が高まっていますが、
中国は認める立場をとっています。

 

これはミャンマーに港をつくり、
インド洋への足掛かりにしたいと目論んでいるためです。

このように中国は、いまだに利己的な他国との付き合い方をしています。

 

残念ながら私が見ていた限りでは、今回の共産党大会で
こうした中国の本質的な問題にメスを入れるような発言はなく、
その対策についても触れられていませんでした。

 

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▼カタルーニャ州独立運動の行方とその影響
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スペインのラホイ政権は21日、
独立を目指して憲法違反を重ねているとして、
カタルーニャ自治州政府の権限を奪う自治権の停止に
踏み切ることを閣議決定しました。

 

月内にも上院が承認する見通しで、中央政府の権限で州議会を解散し、
6ヶ月以内に議会選を実施する方針です。

ラホイ政権にはそれほど力はないと思っていましたが、
想像以上に強固にカタルーニャ州を押さえ込んでいます。

EUが同じ立場をとっているのも強みになっているのでしょう。

 

カタルーニャ州は議会を解散させられてしまうと選挙になりますが、
そのままなし崩し的に独立運動を止められてしまうのか、
これから数週間がまさに瀬戸際です。

 

カタルーニャ州がバスク州や英国の北アイルランドのように
テロリスト化すると大変な事態になります。

そうならないためには、スペイン政府とカタルーニャ州で
話し合いをするしかありませんが、政府側がそれを拒否しています。

バスク州は徴税権を認められ、やや安定していますが、
ZARA本社があるガリシア州など独立志向が強い自治州は他にもあります。

また少し毛色が異なりますが、イベリア半島のジブラルタルも、
今後問題が出てくる可能性が高い地域です。

ジブラルタルは英国領になっていてスペインは返還を求めていますが、
英国はそれに応じていません。

英国がEUから正式に離脱すると、
ジブラルタルとスペイン間の行き来に制限がかかります。

これまではEU加盟国同士なので自由でしたが、
国境審査が入るとなったらスペインにとって非常に面倒なことになります。

来年11月に予定されているブレキジットに向けて、
両者はさらに揉めることになると思います。

 

また、カタルーニャ州の独立運動に刺激されて、
イタリアのロンバルディア、ヴェネト、ピエモンテなど、
もともと独立運動をやっていた地域では自立の気運が高まるかもしれません。

 

イタリアという国は郷土色が非常に強い国です。

独立運動にまで発展する可能性は低いと思いますが、
何か動きがあってもおかしくはありません。

私はかつて地域国家論という本を書きました。

この本は、スペインのカタルーニャ州、ガリシア州、カナダのケベック州などで、
教科書の1つとして使われていました。

そのおかげで、こうした地域に呼ばれて講演をしていた時代があります。

 

私は日本でも道州制を推奨していますし、
世界のこのような地域でも自立して欲しいと思うところがあり、
今回のようなニュースを聞くと心が痛む部分があります。

 

心情的にはカタルーニャ州に徴税権を与えるぐらい
自立させてあげればよいのではないかと感じています。

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