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マーケティング 販売方法

「マーケティング」アスクル株式会社の始まり 一石を投じた販売手法

2019/01/27

突然ですが、“コクヨ”とは何の会社でしょうか。

ご存知だとは思いますが、
“コクヨ”は文具などを製造しているメーカーです。

では、“プラス”とは何の会社でしょうか。

その道の方はお分かりかもしれませんが、
実は、この会社も文具メーカーなのです。

“コクヨ”と“プラス”。

取り扱い文具店の囲い込みに成功し、
強力な販売基盤を持つコクヨ社からしてみれば、
売上高もシェア率も低いプラス社を
正直、ライバル視していませんでした。

しかし、その状況が一変・・・
一気にコクヨ社はプラス社を
意識せざるおえない状況に陥ります。

そのきっかけは1993年3月。

プラス社に、ある事業部が立ち上がったことに遡ります。

この事業部は、文具店などの囲い込みによるコクヨ社の戦略に
遅れをとっていたプラス社の威信をかけたとも言える事業部で、
今までの販売を変える革新的なサービスを展開しました。

その革新的なサービスとは、何だったのか・・・

実は、通信販売だったのです!

「何だ、通販なんてどこもやっているじゃないか」

そう思われたかもしれません。

確かに、通販そのものは特別珍しいものではなく、
当時も化粧品や家電製品では既に確立された販売手法でした。

ですが、当時の文具メーカー業界では、
“文具メーカーの販路は店頭が主流で
文具店を制する者が業界を制する”

という構図が出来上がっていたので、
専属の文具店をどれだけ多く抱えることが
出来るかが、直接売上に関わっていました。

文具店は、街中の小さな文具販売店のことで、
地域に密着していることが多く、学校などを含む
官公庁などとも繋がることで安定した経営をしています。

そのため、品質が良く、有名なブランドである
コクヨ製品を置いておけば何もしなくとも
売れていってしまうのです。

ですので、文具メーカーにとっては、この販売店を獲得し、
確実に納品できるかが勝負となっていました。

そんな文具メーカー業界へ
他業界の通販での成功事例を基に一石を投じたのが、
プラス社の新事業部だったのです。

この事業部は最初は苦戦したものの、
「速い!」「安い!」「高品質!」を軸に
コクヨ社が見向きもしなかった中小企業を
ターゲットにすることにより、
3期目で初年度の9.5倍の19億円もの
売上を出すことができました。

この事業部こそ、後の“アスクル株式会社”です。

この文具の通販は、アスクルの開拓で様々な会社が進出しました。

有名な会社では大塚商会の「たのめ~る」。

コクヨ社も販売店の反発覚悟でアスクル出現の8年後に
「カウネット」をリリースしましたが、時既に遅し。

多くの企業では文具類の在庫がなくなると
「アスクルで頼んでおいて!」などというように、
既にその名前が浸透していました。

他業界で当たり前だと思われていた“通販”という販売方法を
取り入れたアスクルはコクヨ社の「カウネット」の3倍近くを
売り上げることに成功したのです。

世界No.1のマーケティングコンサルタントと呼ばれる
ジェイ・エイブラハムも“他業界”から学ぶ必要性について
以下のように話しています。
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“1つの分野でキャリア全体を過ごす人は、ほとんどが
近視眼的だということに気づいた。たとえエキスパートの
ように見えても。

もちろん、彼らは業界の動きはわかっているし、その業界の
マーケティングの常識は押さえているだろう。

しかし私は、優れたマーケティング手法のエッセンスを
他の業界から学んで、自分の業界のものと組み合わせれば、
競合にはるかに勝る大ヒットマーケティング手法が出来る
かもしれないと、考えた”
『エイブラハム・マーケティング・バイブル3』(Mr.X著)
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現状の収益構造からなかなか抜け出せないでいると、
この文具メーカー業界のように、トップシェアを誇る企業でも
その地位を脅かされるようになってしまいます。

なので、売上を改善し、業界内で不動の地位を築くことが出来る
“他業界”から学ぶという姿勢を持つことが重要なのです。

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