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週末だけのグローバル投資コラム

パナマ文書が与えるインパクト (1)問題となるのはどのような場合か

2016/09/25

今週は「パナマ文書」で世界中が大騒ぎでした。

さっそくアイスランド首相が辞任し、欧州金融機関の経営者が去りました。

英国のキャメロン首相も吊し上げられています。

これがなぜ問題なのか、そして投資戦略にどのようなインパクトを与えるのか、
基本的なところから解説します。

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まずパナマ文書について、現時点のwikipediaでは以下のように説明しています。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/パナマ文書
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パナマの法律事務所、モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)によって
作成された一連の機密文書である。

文書は1970年代から作成されたもので、総数は1150万件に上る。

文書にはオフショア金融センターを利用する21万4千社の企業の、
株主や取締役などの情報を含む詳細な情報が書かれている。

これらの企業の関係者には多くの著名な政治家や富裕層の人々がおり、
公的組織も存在する。

合計2.6テラバイト (TB) に及ぶ文書は匿名で2015年にドイツの新聞社『南ドイツ新聞』に漏らされ、
その後、ワシントンD.C.にある国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ) にも送られた。

80か国の107社の報道機関に所属する約400名のジャーナリストが文書の分析に加わった。

2016年4月3日、この文書についての報道は149件の文書とともに発表された。

関連企業・個人リストの完全版は同年5月初めに公開される予定である。

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これが公開されると何がマズイのでしょうか。

それはタックスヘイヴン(租税回避地)にある会社とその実質的な所有者(あるいは受益者)が繋がり、
誰がどれぐらいの資産を持っているのかバレてしまうからです。

これは不正の摘発や、反社会組織の根絶に力を発揮します。

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タックスヘイヴンで投資ファンドやペーパーカンパニーを利用すること自体は違法ではありません。

そして以前はそれなりに理由があることでした。

というのも会社や会社型ファンドを「安く」「早く」かつ「匿名で」作ることができたからです。

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たとえば不動産を証券化するときにはファンドを作ってその中に物件を入れるのが便利です。

しかし設立や維持に何千万円もかかったり、取締役や監査役を何千万もかけて雇ったり、
投資の途中で税金を取られたのではやっていられません。

そこで低コストでその入れ物(ヴィークル・エンティティ)を設立・維持することができ、
名義上の取締役や監査役を用意してくれるタックスヘイヴンのサービスは便利だったのです。

また投資に対する制約が少ないため、ヘッジファンドもこの仕組みで作られていました。

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しかしこの仕組みは、脱税・横領・マネーロンダリング(マネロン)・詐欺の温床にもなっていました。

その上に税金を取れないのですから、国としては大損です。

各国は税制や投資法制を整備し、資金がタックスヘイヴンに流れないように努めました。

今では日本でも国内で手軽に投資ファンドが作れますので、
投資対象や投資家が国内に限るのであればわざわざ国外にファンドを作る必要性は減っています。

ただし海外の投資案件の場合は、まだタックスヘイヴンを利用する必要があるのではないでしょうか。

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したがって、そうそうたる大企業・金融機関・富裕層がこのリストに名前を連ねていることは不思議ではありません。

当局が存在を知っており、決められた税金を払っているのならば問題ありません。

問題とされるのは、主に以下のような場合です。

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1. 当局が把握していない口座や資産がある(裏金・脱税)

2. 反社会勢力や犯罪組織が実質的に保有する口座である(マネロン・詐欺)

3. 反社会勢力や被制裁組織の口座に対して資金のやりとりがある(法令違反)
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これらに該当する人々は大慌てしていることでしょう。

たとえば腐敗撲滅を訴えてライバルを葬った政治家や、
募金を集めている慈善家が裏金を隠していたことがバレたら大変です。

またカネの流れを追うことで反社会組織への支援ルートが明らかになり、
締め上げることが可能になります。

パナマ文書はパンドラの箱をひっくり返したようなものなのです。

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ワイルドインベスターズ株式会社



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