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週末だけのグローバル投資コラム

統一欧州の夢と現実 (4)「青いソ連」あるいは「ドイツ第四帝国」の暴走

2019/01/28

強硬路線で引き締めを図るEUやドイツですが、
強権体質がさらに顕著になっています。

英国が離脱したことを反省するどころか、
ますます暴走して自滅政策を連発しているのです。

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今週はECBがイタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(BMPS)に対し、
不良債権の削減加速要請をしました。

おかげで欧州金融機関の株価が急落し、劣後債やCDS金利が急上昇しました。

ドイツ銀行などは英国のEU離脱(Brexit)以来、株価が安値を更新していました。

そこからさらに信用リスクが高まるように、ECBが追い打ちをかけたのです。

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さらに欧州委員会は、スペイン・ポルトガルの財政赤字が大きすぎるとして
制裁手続きに入ったと報道されました。

税収が足りない国は、罰としてカネを取りたてるということです。

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スペイン・ポルトガルの過剰赤字、欧州委が制裁手続きに着手
http://jp.reuters.com/article/eu-deficit-spain-portugal-idJPKCN0ZN1TE
ロイター2016年 07月 8日 01:03 JST
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欧州委員会は7日、スペインとポルトガルに対する
過剰財政赤字の制裁手続きを正式に開始した。

両国が「異例の経済状況」のため財政規定を
順守できなかったことを示せない限り、
国内総生産(GDP)比で最大0.2%相当の制裁金や
EU基金からの資金凍結などの処分が下される恐れがある。(以下略)
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これらの動きには、本当に驚きました。

当局が金融機関に不良債権削減を促すことは正論です。

財政赤字が拡大している国に、節度を求めることも正論です。

しかし何もわざわざ英国離脱で金融市場が動揺している最中に、
それを進めることはありません。

何事にも手順とタイミングがあるのです。

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ECBが欧州金融機関の不安を煽りました。

欧州委員会が欧州ソブリン危機を煽りました。

そしてスペイン・ポルトガルの両国は、
中南米とのつながりが深いです。

ここで信用不安が再燃すると、
鎮静化していたブラジルやアルゼンチンなどが
また燃え上がるかもしれません。

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ネットではEUのことを、「青いソ連」あるいは「ドイツ第四帝国」と揶揄しています。

周辺諸国を強権で締め付けながら、支配を強化する体質を表現しているのです。

市場とも国民とも対話しないその姿勢は、自由主義国家の連合体とは思えません。

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東には中国がいて、自分の支配権をゴリ押しで拡大しています。

西にはEUがいて、自分の支配権をゴリ押しで拡大しています。

彼らの暴走を止められなければ、
「欧州金融 - 欧州ソブリン - 新興国」の連鎖危機は不可避となるでしょう。

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ワイルドインベスターズ株式会社



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