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週末だけのグローバル投資コラム

統一欧州の夢と現実 (2)先進国は「移民制限のタブー」を破れるか

2019/01/28

今週は鬼畜のような動きでした。

英国議員の殺害事件以来、
EU離脱(Brexit)投票は「残留が確定」と報じられました。

早くも残留を織り込んだかと思いましたが、
それからあらゆる資産が上昇し続けたのです。

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投票が終わった日本時間24日金曜の朝にも

「調査により52:48で残留確定」「離脱派が敗北宣言」

などという噂が飛び、踏み上げが続きました。

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それが一転して、離脱派の勝利です。

ポンド円は160円から一時134円ぐらいまで、約15%下げました。

ドル円は107円近くから一時97円台に。

日経平均も16,600円台から一時14,700台にまで10%以上も急落しました。

マスメディアの願望なのかヘッジファンドの情報戦なのかわかりませんが、
騙された人は多かったことでしょう。

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弊社は先週書いたように

「英国民が我慢の限界を感じているなら、
それぐらいで投票行動は変わらないはず。」

「英国のEU離脱(Brexit)の可能性は半々」

と考えていたので、利益を得ることが出来ました。

しかし今朝までの踏み上げは正直苦しかったです。

今日の暴落ではなく、その前の上げがよほど不思議でした。

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英国のEU離脱を止める方法はあったと思います。

たとえば「EU全体で移民を制限する」と言えば、
英国民も離脱に投票しなかったでしょう。

EU側は直前にそのカードを切って譲歩するかもと思っていましたが、
そんな気配はありませんでした。

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それどころが「離脱したら移民を送りつける」「経済制裁する」
「地獄に墜ちる」などと脅すばかり。

英国内では残留派が「離脱派は差別主義者で低学歴」のような
レッテルを貼って攻撃します。

これでは反感を持たれて当然でしょう。

議員がひとり死んだぐらいでは、
踏みにじられたことに対する憎悪は消えません。

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今回の投票や現地の報道を見て感じたのは、

- やはり欧州国民は移民に対してフラストレーションを高めている

- しかしそれを表現することはタブー視されている

ということです。

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「自由貿易やゆるやかな国際交流は歓迎だが、
移民がなだれ込むことで治安悪化や福祉破綻は歓迎しない」

これが英国民や、EU国民の本音ではないかと思います。

しかしそれを表現すると「差別主義者」「低学歴」などと攻撃され、
下手をするとリンチされることになります。

これは米国以外の先進国に共通の現象かもしれません。

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それでも抑圧されることに対し、声を上げる人々が増えてきました。

英国独立党(UKIP)の躍進はその現れです。

今回の投票結果も、声をあげられない人々の抵抗だったのではないかと思います。

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国や連合国というものは、メンバーの利益を増やすために結成されたはず。

しかし誰かが利益を独占して他の人々を犠牲にし続ければ、
反抗する人々も出てきます。

移民とそれをサポートする政治家・マスメディア・
大企業に対する憎悪は根深く燃えています。

移民制限をタブーにしている限り、EU諸国の混乱は止まらないでしょう。

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ワイルドインベスターズ株式会社



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