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週末だけのグローバル投資コラム

統一欧州の夢と現実 (1)英国EU離脱(Brexit)は移民問題

2019/01/28

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英国のEU離脱(Brexit ブリグジット)投票が来週23日に迫りました。

結果は日本時間の24日金曜日に明らかになるはず。

来週はそれを巡って、大荒れになる展開が予想できます。

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今週前半はEU離脱派が優勢と伝えられ、世界はリスクオフ一色でした。

欧州株や欧州通貨が売り込まれました。

EU崩壊の瀬戸際にあるのですから当然です。

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しかし17日金曜日に、情勢は様変わりしました。

英国でEU残留派の議員が襲われ、死亡したからです。

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EU残留支持派の英議員、銃撃され死亡 52歳の男拘束
http://www.asahi.com/articles/ASJ6J7W7GJ6JUHBI02Y.html
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16日午後1時(日本時間16日午後9時)前、最大野党・
労働党の女性下院議員ジョー・コックス氏(41)が路上で男に銃で撃たれ、死亡した。

地元警察は、52歳の男の身柄を拘束した。

動機などは分かっていないが、地元警察は単独犯とみている。

コックス氏は23日に迫った国民投票で欧州連合(EU)への
残留支持派として活動していた。

英メディアが伝えた複数の住民の証言によると、男はコックス氏を大型の刃物で襲い、
取り出した銃で複数回撃ったという。

一部メディアは、男が国粋主義的な言葉を発したとの情報を報じた。(中略)

コックス氏は残留支持派として、国民投票に向けて活発に運動をしていた。

10日付の地元紙には「移民に対する人々の懸念はもっともだが、
EUを離脱する理由にはならない」と残留を呼びかける意見を寄稿していた。
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最後のパラグラフで、英国のEU離脱問題が移民問題と密接に絡んでいることがわかります。

一般国民は移民やグローバリゼーションに疲れ果て、
自分たちには恩恵がないと感じています。

かたや企業や政治家は、EUにいることによって市場が拡大し利益があると考えています。

先進国に移り住める移民もEUには大賛成。

先進国共通の悩みと言えるでしょう。

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普通に考えるなら、今回の事件は離脱派にとって痛手です。

英国ブックメーカーのオッズ(賭け率)では、急速に残留派有利に傾いたとのこと。

それを受けて欧州株やユーロが大きく反発しています。

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しかしだからといって、このまますんなり英国がEU残留とは限りません。

「これまで自分たちが移民・大企業・政治家にさんざんやられてきたのだから、
それに味方する連中はやり返されて当然。ざまあみろだよ」

と考えている人々が多数いるかもしれないからです。

英国民が我慢の限界を感じているなら、それぐらいで投票行動は変わらないはず。

英国のEU離脱(Brexit)の可能性は半々と考えます。

「残留は確定的」と安心することなく、万一の事態に備えてください。

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リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー(青山栄次郎)やその母ミツコが夢見た
「統一欧州の夢」。

それが移民やグローバリゼーションという「現実」の前に崩壊しようとしています。

抑圧され続けた英国民が、議員の死によって投票行動を変えるのか。

来週の今頃には結論が出ているはずです。
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ワイルドインベスターズ株式会社

 

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